ザワザワと教室の中が騒がしくなり、スリザリンとグリフィンドールの生徒が次々と席に着いた。
最後に昨日までは見たことがなかった少年が席に着く。
私は思わず目を丸くした。
確かに。
噂される事も納得できる人形のような完璧な美しさだ。
しかしそれ以上に。
昔の友にあまりにも似ている。
コホン。とひとつ咳払いをすると教室内が異様に静かになった。
「今日は声変え薬を作る。我輩の説明をよくきくように。」
薬品の作り方の手順を一通り説明し終わると、生徒達は作業に取り掛かった。
いつもどおりにポッターに圧力をかけつつ、ナベの回りをまわっていると珍しい光景を目にした。
あのマルフォイがグリフィンドールの生徒。
しかも、昔の友人にそっくりな生徒と仲つむまじげに、ペアをくんでいる。
回りから羨みの視線を受けながらも、ソレをまったく気にしてはいないようだ。
ふと、目があうとウィクリフはこちらに片目をつぶって見せた。
「―――っ。」
なぜだか急いで目をそらし、再び足を進める。
妙に鼓動が高鳴った。
それを誤魔化すようにあたりに視線を漂わせて見ると
すでに大方の生徒は薬品を作り終え、ビンに詰め終わっていた。
「ビンに詰めたものは提出。
残りは自分で飲んで効果を試すように・・・。」
さて。この後どうするか。
「本日の授業はここまで。
・・・・・・。・・・・=ウィクリフ。」
私が名前を呼ぶと教室を出ようとしていたウィクリフは首だけ後ろを振り向きわずかにかしげた。
「少し残れ。話がある。」
「はーい。」
なぜか女生徒のような高い声が響いた。
「・・・・なぜそのような声なんだ。」
「Mr.スネイプが声変え薬を作れとおっしゃいましたので。」
「・・・・・・。」
確かにそうなのだが、自分が指示したのはもう少し低い声に変わる薬のはずだ。
この高さにするにはすこし調合の割合を変えなければいけない。
意図的に変えたか。それとも失敗してこうなったのか。
前者のほうは1学年としてはまずありえない。だとしたら後者だろうか。
しかし、もしこの少年が昔の友なのだとしたら、確実に前者であろう。
こめかみをおさえながらも辺りを見渡すと、大方の生徒は教室をでていったようだ。
最後の一人・・・・グレンジャーが教室を出て行くと私はウィクリフの方へ向き直った。
「=ウィクリフ。」
「はい。」
相変わらず女生徒のような声で気が抜ける。
「・・・・コレを飲め。」
こんなときに使うとは思わなかったが、もしものときのために
あらかじめ用意しておいた小さなグラス瓶をわたすとウィクリフは苦笑いをしてソレを受け取り、飲み干した。
そのグラスを受け取りテーブルの上におく。
「で、Pr.スネイプどうかしたんすか?」
「・・・・・。
一つ聞きたいことがある。」
「あー・・・・。」
なにか心あたりがあるように困った笑みを浮かべてから、ウィクリフは人差し指で頬をかいた。
「俺が姿変えてたのはちょい事情があるからでしてー・・・・。」
「・・・・それもあるが違う。」
しっかりと目線を合わせると、ウィクリフは観念したかのような笑みを浮かべて見せた。
「・・・・=か?」
「あたりー。久しぶりィ?セブルス。」
そのとき浮かべた悪戯気な笑みに随分と懐かしさを覚えた。
20050220