目の前に暴れ柳が迫ってくる。
もう駄目だ。
そう思って目を閉じて、自分ではとても長く。
だけど実際には数秒後に大きな音をさせて暴れ柳に車ごとつっこんだ。
身体が一瞬浮いて気がつくと地面に叩きつけられていた。
「いたたたた・・・・・。」
「馬鹿じゃねぇの?お前ら。」
「・・・・?」
目の前に黒いローブが現れて、ソレを上にたどっていくと
金色の瞳が自分を見下ろしていた。
「・・・・。」
「おぅ。久々だな、ロン。」
にかっと、その白髪の少年は笑ってみせる。
すっと、手を差し出されたのでその手をとって立ち上がった。
「あ、姫いた。」
「あぁ、本当だ。我らが姫、ご機嫌麗しゅう?」
がやがやとフレッドとジョージが衝撃音を聞きつけたのか、
はたまた、についてきたのかは知らないがその場に現れた。
「あぁ。それなりに麗しい。」
くすくすと、は微笑み、あたりに目線を動かす。
「・・・・そういやハリーは?」
「え?あ、ハリー!?」
今更のように言われた名前に、はっと顔を青ざめて友達の姿を探す。
地面に落ちた眼鏡を手探りで探している友達を少し離れた場所に見つけると、
そちらに駆け寄り眼鏡を拾って手渡した。
「ハリー。大丈夫かい?」
「・・・うん、なんとか大丈夫。
ところでさっきから話し声が聞こえるけど誰かいるの?」
が・・・・。
そういおうとしたのだが、それは叫び声に邪魔された。
「だぁー!くっつくなっつーの!」
「この寒い中、我らが弟とその親友を待ってくれた姫を暖めるのが我ら騎士の使命ではないか!」
「そのとおりだ、さぁ、姫!遠慮なく!」
「あほか!遠慮するわ!!」
そりゃ遠慮したいだろう。
そういえば、はなぜこんなところにいるのだろう。
偶然いたということはまずない。
今日は始業式のようなものだし、こっちに寄るような事は考えないだろう。
「でかいのが二人もくっつくな!!
俺は女のほうがいい!!」
でかいのとか言ってるも13歳であることを考ると、
フレッドとジョージと数センチしか違わないのは
かなり背が高い証拠であると思う。
「あれ・・・姫。」
「冷たくない・・・・・。」
「そら、さっき来たばっかりだからに決まってんだろ?」
一人の言葉を一人が受け継ぐような形で発せられた言葉との言葉に、
ハリーと顔を見合わせてそちらに歩み寄った。
歩み寄っていく僕らの姿をみとめ、二人に抱きしめられて
動けなくされているはあきらめたような顔でハリーと僕をみた。
「姫!それにしてもこの暖かさはおかしい!」
「よー。ハリー。」
「こんばんわ。。・・・大丈夫?」
「そう」
「まるで」
「「カイロのような暖かさじゃないか!!」」
「あー・・・。あんま。」
「「姫・・・。」」
「・・・・はいはい。わかったから。」
うぜぇんだよ。説明するから離れろ。
無視された事にしょぼくれたようなフレッドとジョージの言葉に、
小さな声でそういったのが僕の耳に届いた。
はっきりいって、怖い。これは美形特有の怖さじゃないだろうか。
それはフレッドとジョージも同じようで、恐れをなしたのか、から離れた。
めんどくさそうに前髪を書き上げては兄達を見た。
「暖かい空気を身にまとってんの。わかったか?」
「「「「は?」」」」
4人とも綺麗にはもった。
ここにハーマイオニーはいたならば、きっと事細かに説明してくれるだろうに。
光景が目に浮かぶようだ。
「そんなこといっても、姫。」
フレッドが不思議そうに言葉を発する。
どうやら、さきほどの「は?」は、ハリーと僕のモノと
フレッドとジョージのモノとは質が違うものらしい。
「そんな高等呪文を二年である姫が使えるはずないだろう?」
ソレを引き継ぐようにジョージはと目線を合わせた。
「別にいいじゃねーの。」
どうでもいいという風に、は溜息をついた。
「そんな呪文、僕らですらまだ習ってない。」
「どういうことなんだ、姫?」
フレッドとジョージに詰め寄られ、はふっと笑みを浮かべた。
「・・・・少しは黙れ。」
まだ声変わりをしていないものの、
ドスの聞いたそのような声で言われると怖いものである。
「さーてと。早くしねぇとまにあわねぇぞ?」
さっさといけ。とフレッドとジョージはに目線で示されると
いそいそと城のほうに向かった。
「ねぇ、?」
ハリーがおずおずと声をかける。
はきょとんと目をまるくしてハリーと僕を見た。
「なに、びびってんの?
俺はハリーとロンには敵意向けたつもりねェけどー?」
笑顔でローブのポケットに手を突っ込んで、ハリーに顔を寄せる。
「う・・・うん。そうだね。」
ハリーがびびってるよ、!?
っていうか、思いっきりハリーが目をそらしてるのに気がついてますか!?
「あ、そうだ。。」
「んー?」
は僕のほうに向いた。
「さっき来たばっかりって?どうして僕達が来る時間がわかったの?」
少し前に言った言葉に引っかかった言葉があったので聞いてみると、
は楽しそうに笑った。
「んなもん、わかるだろ?」
「どういうこと?」
ハリーは首をかしげた。
その様子には笑みを深める。
「俺だからにきまってるじゃねーの。」
「「・・・・・・・。」」
納得できない事もなかった事が妙に悲しかった。
20041120