「まぁ、何はともあれ。証拠みせりゃ、ロンも納得するんじゃねぇの?」
とつぜん白い髪のそいつは何かたくらんでいるような笑みを浮かべた。
こういうところはまったく変わっていないと思う。
しかし、こいつが現れたときは本気で驚いた。
色素が全体的に薄いことも手伝ってか、ゴーストだろうかとさえ疑ったほどだ。
知らずのうちにじっと見ていたのだろう。はにやりと笑みを浮かべた。
「見惚れたか?」
「・・・・黙れ。」
少し怒気をはらんだ声にしたつもりなのだが、は年に似つかわしくない妖艶な笑みを浮かべた。
「それにしてもせっかくの二枚目が台無しじゃねぇの。」
やせこけやがって。とは俺の頬に手を添えた。
手の冷たさを感じ目を細める。
「冷たい・・・・。」
「今も昔も・・・俺と張り合える美貌はお前だけだと思ってたんだけどー。
そんなやせこけた面じゃ、はりあいがねぇよ。」
「・・・・喧嘩売ってんのか?」
「えー?別にぃ。」
なんだかイラついてきた。
十中八九。それを狙ってやっているんだろうけども意図がつかめない。
「。いい加減にしなさい。」
「はーい。Mr.ルーピン。」
教師と生徒のノリでは返事をした。
リーマスはやれやれといった風貌でため息をつく。
「まったくの元気付け方は荒すぎだよ。
ねぇ、シリウス。」
リーマスに話を振られて俺は思わずぽかんと口を開けた。
元気付けようとしていたのか・・・。
そして、それに気づいたリーマスはさすがだ。
「それにしても、話が進まないじゃない。
ほら、ハリーたちも困ってるし。・・・・やるよ。」
杖を構えたリーマスの鳶色の瞳の光が強くなった。
それとは対照的にはだるそうに一歩退く。
「やらないのか?」
「んー?三年生だしィ。」
人差し指を口元に持ってきて、今にもえへvとか言い出しそうな勢いだ。
下手すると似合うので嫌だ。中身をしっているからもっと嫌だ。
「とりあえず、やめろ。気色悪い。」
「うわっ、ひどっ!俺、傷ついたー。」
うぅ・・・。とアカデミー賞ものの演技で泣きまねをする白髪の少年。
「ねぇ、いいかげんにしてくれない?」
その声に俺とは固まった。
やばい・・・・。
「・・・リ、リーマス。頼むから落ち着いてくれ。」
「悪かったって。黙るから。」
相変わらずあわてもせずにはリーマスに引きつった笑みを浮かべてみせた。
しかし、リーマスの表情はかわらない。
「話はもう十分だ。本当は何が起こったのか、証明する方法はただひとつ。
ロン。そのねずみをよこしなさい。」
「こいつを渡したら、なにをしようというんだ?」
赤毛の少年が緊張した声で、わずかにおびえた目でリーマスを見た。
やさしい教師だった人が突然こんなことを言い出したならおびえても当然だとも思う。
「無理にでも正体を顕させる。もし本当のネズミだったらコレで傷つくことはないよ。」
ロンという少年はためらったようだが、恐る恐るリーマスにネズミを渡した。
その間もネズミは激しく暴れてその手から逃げ出そうとする。
強くネズミに指をかまれ、血がにじみ出る。
リーマスは僅かに眉をひそめた。
「シリウス、準備は?」
すでにスネイプから取り上げていた杖をリーマスに示して見せ、ピーターに近づく。
怒りが体のそこから燃え上がっていくかのような気がした。
駄目だ。自制が効かない。
「いざとなったら俺が止めてやるよ。」
ありがたく思え。とでもいうように、俺もコイツにはもっとも似合うと思われる
人をくった様な笑いをは浮かべてみせた。
「・・・・一緒にするか?」
「そうしよう。」
には一度振られているので、リーマスに視線を投げかけると同意の言葉が返ってきた。
くすり。とが隣で笑うような気配がした。
「三つ数えたら、放て・・・・。
いち――に――さん!」
青白い光が2本の杖から放たれて、一瞬ピーターの体が浮いて静止した。
「おぉ・・・すっげぇー!」
の横顔が光に照らされる。その光が黒味を帯びた。
少年の声が響く。小さな黒い影が激しくよじれ、ネズミがぽとりと床に落ちた。
失敗したのだろうか・・・。
しかし、そう思った瞬間にもう一度目がくらむような閃光が走り、そして――・・・。
20050220