「さて・・・そろそろミネルバが連れてくる頃じゃ。
 今日は残念ながらフランツといっしょの部屋に行く事はできんがのぅ。」


「・・・?
 どうしてですか?」


「ほれ。まだ組み分けがすんどらんじゃろ。」


「あ。」



じゃぁ、どうして僕の部屋。

つまりグリフィンドールに入る事になってるんだ。



「ダンブルドア、もしかして僕といっしょじゃない可能性もあったりするんですか?」


「いや。それはないのぅ。」



どうして?と質問しようとした瞬間に扉が勢いよく開いた。

僕が重いと感じながら入ってきたのとは、まったく対照的にその人は軽やかに校長室に入ってきた。

すこし甘い良い匂いが室内に広がる。



参上!
 ダンブルドアー、Good morning!」


「ほっほ。。今は夜じゃよ。」


「あっはーv
 んな、細かいこと気にすんなって。」



なんだろう・・・。この人のノリは。

僕はどうしていいかわからなくて視線を右へ左へと動かした。

そうこうしているうちにその人を含めた先生方の穏やかな会話は進む。



「ミネルバ、世話をかけたのぅ。」


「いいえ。なかなか楽しい旅路でしたよ。」



マグゴナガルは厳粛な顔を崩してわずかに微笑んだ。

珍しい。失礼ながらもそう思ってしまった。



「そー。マグゴナガル、意外と話上手。」


「ありがとうございます。。」


「いえいえ。
 ・・・・お?ダンブルドア。これが噂の?」


「そうじゃよ。」



いきなりその人の視線が僕に移り僕の心臓がはねた。

いままでどうしていいかわからなくて、顔を見ていなかったが

その容姿を見て息を呑んだ。まるで彫刻。

それも芸術家の一世一代の大傑作のようだ。

白く透き通った肌に、それに同調するような白くて長い髪がゆるく一つの三つ編みにされて肩から前にたらされている。

鼻筋はすっと通っていて、すこし切れ長の瞳は強い金色。

全体的に色素の薄い中で、ほのかな桜色の薄い唇がやたらと浮いて見えた。



「・・・・コイツ大丈夫?」



その人は僕の前で手を振って見せた。

僕はぽかんと口を開けたままでしばらく静止していて、ふと我に返った。



「あっ・・・えっと、ぼ、僕。フランツ=・・・ウ、ウィクリフっていいます!」



いそいで立ち上がって僕はぺこりとお辞儀をした。



「うわぁ・・・純粋培養なのか。」


「じゃろ?」


「あぁ。とてもウィクリフ家で育ったボンボンだとは思えねぇ。
 ・・・・・どーもー。俺はね。よろしくー。」


「あ、えっと・・・こちらこそよろしくお願いします。」



はからからと笑う。



「なんで、敬語?俺とお前は同い年。OK?」


「はい・・・あ・・・違っ・・うん。」



はお腹を抱えて笑い出した。

なにがそんなにつぼにはまったのかわからず、僕は首を傾げる。



「あっはっは・・・腹いてェ・・・。
 お前、最高っ!フランツ!
 仲良くしてねv」


「え、うん。」



さまざまなことが頭の中を行き交う。

なぜにいきなり女言葉。

なぜこの容姿でこんなにこの人は口が悪いのだろうか。

そして本当に金持ちが喉から手が出るほど欲しい一般人なのだろうか。

いや、もしかしてこの美貌ゆえに金持ちから欲しがられているのかもしれない。


なぜ。なぜ。なぜ。



「さて、そろそろ就寝時間じゃろうから・・・。
 ミネルバ。悪いが、フランツを寮まで送り届けてやってくれるかぅ?」


「かしこまりました。」


「え・・君は?」



ミネルバに肩を抱かれていたので、くるりと首だけ返しての方を見た。
するとはきょとんと目を丸くして、ダンブルドアをみた。



「俺、まだいっちゃ駄目なんだよな?」


「そうじゃよ。今日はここでねるんじゃよ。
 フランツ。はまだ組が決まっとらんといったじゃろうが。」


「え。で、でも、僕の部屋ってことはグリフィ・・・。」


「俺がグリフィンドールっていったら、グリフィンドールになんの。
 フランツの部屋に世話になることは、ぜってぇ変わんねぇからよろしく。」



にぃ。とは腰に手を添えて自信ありげに微笑む。

にそういわれると、なんとなくそのような気がしてきて納得してしまった。



「さぁ、フランツ。いきますよ。」


「はい。マグゴナガル先生。」


「じゃぁな。フランツ。明日からよろしくー。」



楽しそうな笑顔で手を振るに手を振り返して、暗い廊下に再び足を踏み入れた。








20050105