がたがたと騒がしい音をさせてから、今僕がいる部屋。
つまり4人部屋の扉が乱暴に開いた。
その開いた先にいたのは黒髪の友人二人。
ちなみに本人たちは気づいているのか気づいていないのか水にぬれてフェロモンを惜しみなく放出中。
「また、やられたの?」
本を片手にチョコレートをほおばりながら聞くと、
一人は困ったような笑みを浮かべ、もう一人は悔しそうに舌打ちをした。
悪戯仕掛け人であるこの二人を逆に返り討ちにできる人物といったらこの学校には一人しかいない。
人間かと疑うほどの美貌を持った白い髪の少年の顔を思い浮かべて思わず口元に笑みが浮かんだ。
「まったく何回目?もう10回目ぐらいだっけ?」
「いや、リーマス。正確には11回目だよ。」
「ふーん。」
ジェームズが修正を入れるが、どっちでもいい。
ちなみに回数は悪戯しようとして返り討ちに合った回数。もしくは悪戯をした回数。
つまり一度も彼に対しての悪戯は成功していない。
ここまでやられては悪戯仕掛け人の名前がなくということで、この二人もムキになっているのだろうと思う。
僕は最初の一回で退いた人。なんていうか、最初から悪戯仕掛け人を返り討ちにしたあの少年には
どうもかなわなそうな空気を見て取ったから。
無駄な努力はしないほうがいい。というか、僕がめんどくさい。
ピーターは誘われればいくものの、彼に対しての悪戯は乗り気ではないようだ。
「あー。マジでむかつく。なんなんだよ、アイツ!
俺たちの行動最初からわかってるみたいな行動しやがって!」
黒髪のホグワーツ一の美男子であるとまことしたたかに噂されていた友人は
自分の天蓋つきベットに体を投げ出し、枕に顔をうずめた。
ちなみにホグワーツ一の美男子。は今のところ不明である。
好みによって、この友人と彼とにわかれるのだ。
どちらにしろ美男子なのに代わりはない。
ここにいてはこの友人の愚痴を延々と聞かされそうなので、
とりあえず退散しようかと羊皮紙とペンを持ってその場をたつ。
「あれ?リーマス。どこかいくのかい?」
ずれてきた眼鏡を人差し指で上げながら友人は僕に問いかける。
僕はあたりさわりのないところの笑みをうかべてみせた。
「ちょっと図書室に課題を終わらせにいってくるよ。
・・・・あぁ。そうだ。シリウス。」
「あ゛ぁ?」
ピーターに愚痴を延々と言っていたシリウスが不機嫌そうに目線だけこちらに向ける。
それとは対照的に愚痴を聞かされていたピーターは助かったとでもいいたそうに静かに息を吐いた。
「僕が帰ってきてまだ愚痴を言ってるようなら
その口の中にチョコレート突っ込むからね?」
くすっ。と微笑んでやると、シリウスの顔から血の気が引いた。
この笑顔が一番きく。
腹黒いとかいわれるのは、まぁ、しょうがないことだとも思う。
自覚あるし、別にいいじゃないか。
「じゃぁ、いってきます。」
「いってらっしゃ〜い。」
ジェームズだけが気楽にひらひらと手を振った。
図書館に着くと台風の目のような状況が目に入った。
ある空間をあけてその周りに人が野次馬のように集まっている。
なにかあったのだろうか。
「・・・・・・・?」
気になってその台風の目を見てみると白い長い髪が目に入った。
僕の頭の中の話題のその人。
「・・・・。」
机の上に一応申し訳程度に羊皮紙は広げられているものの
長いまつげに覆われたまぶたは今は閉じられている。
机に突っ伏したその姿は人をひきつけるには十分で。
また、表情のない今は人形のようで恐怖を感じさせるのもまた事実だ。
呼ばれているような気がした。
引き付けられるような気がした。
コツンコツン。
革靴の音がやけに響く。
周りの視線が僕に集まった。
その人の顔を覗き込むと強い金色の光がタイミングを見計らったかのように開く。
「まってたぜ?リーマス・J・ルーピン?」
20050502