「あ・・・。」
グリフィンドールの談話室の扉が開き、鳶色の髪の友人は意外だとでも言いたげに驚きの声を漏らした。
視線を追ってみると夜の雫を落としたような黒髪の悪友とコントラストよろしく
雪のように綺麗で長い白髪の少年が肖像から続く扉から入ってきているところだった。
ただし、いつもと違う所は並んで仲よさそうに会話をしていること。
「本当になつけさせたんだ・・・。」
スティックタイプの着色料使いまくりの飴をなめつつ、リーマスはその二人を眺めた。
いつか言ったような気がするが、本当に巨匠の絵のような二人だと思う。
周りから黄色い声がキャーキャー飛んでるし、胸の前で手を組んでうっとりしている女子もいるし
気を引こうと化粧を直すやつもいる。
男子にいたっては、目を見開いてその場で立ち止まる始末。
本人たちは注目されることには慣れているらしく、その視線は気にも留めていないようだ。
僕もリーマスも世間一般には美形に当てはまるらしいけど、あの二人はもう別格。
一般人からすると雲の上の存在だ。
さて。あの様子からすると、はシリウスを手懐けたらしい。
ということはつまりだ。
「もう隠さなくていいってこと?」
「そういうことみたいだね、ジェームズ。」
フフっと怪しげな笑みを浮かべながら立ち上がるリーマスと同時に立ち上がった。
近くにいた女子がまた黄色い声を上げる。いやいや何がつぼにはまったのですが。
ただ一人。ピーターだけは座ったまま辺りをおろおろと見回している。
「あ・・・あの二人とも?」
「心配しなくていいよ。ちょっと遊んでくるだけだから。」
そういうこと言いたいんじゃない。と明らかに目がそういっているが笑みを浮かべて黙らせる。
ピーターは小さく息を呑み、肩を震わせた。
「さて、行こうかリーマス。」
「あぁ。」
少し早足で女子たちの目線を受けながら椅子と机の間をぬって行く。
ローブがはたはたとひらめいた。
「ーv」
「おー。ジェームズ。」
ガシっと抱きつくとは子どもをあやす様に抱き返してくれた。
鼻腔に甘い良い香りがかすめる。香水でもつけているのかは知らないがこの香りはとても気分が安らぐ。
ちらりと横を見ると、黒髪の悪友が口をあんぐりとあけて、信じられない。といった面持ちでこちらを見ている。
リーマスが楽しそうに笑みを漏らした。
「な・・・な・・・?」
「シリウスがねー。と和解するまで言うな。って言われてたんだよ。」
へらへらー。と笑みを浮かべてを抱きしめる。
シリウスはようやくこちらの世界に帰って来たらしく、僕と、リーマスを交互に見た。
「何を!?」
「僕とジェームズがすでに仲良いってこと。最初が僕で次がジェームズね。」
「っ――!?」
シリウスが言葉を詰まらせた。あぁ、このままだとシリウスが爆発するかもしれない。
もう少し弄りたい気もするが、そろそろなだめるべきだろうか?
そうしようか。と思った瞬間に先に動いたのはリーマスではなくだった。
「シリウス落ち着けって。」
「うるさい!!もとはと言うとお前が原因だろ!?」
「えー。だってシリウス、一生懸命で可愛かったから。」
「・・・・。」
あ、黙った。。すごーい。
あの猛犬をすでに手懐けている。
よしよし。とでもいうようにシリウスの頭をなぜている。
こんなことできるのはこの学園広しといえども生徒の中ではだけではないだろうか。
恥ずかしそうにから目線をはずしている友人は放っておいて、僕はに視線を戻した。
「どうやって手懐けさせたんだい?」
「んー。企業秘密v」
クスッと妖艶な笑みをもらし、は人差し指を僕の口元に持ってきた。
「秘密?」
「そ。」
こういわれては、これ以上追求できないじゃないか。
観念したように僕は笑みを浮かべた。
「ところで二人ともいつまでくっついているの?」
リーマスが飴を舐めながら問いかける。シリウスも同意を示すように頷いた。
確かにくっ付きすぎかな。と心の端で思うが、そんなことどうでもいい気がする。
「どうでもよくないよ。」
リーマスが僕の周りを見渡す態度から心を呼んだかのような発言をした。
「腐女子の皆さんが喜んじゃうから。」
あぁ。と納得しのほうを見ると、は悪戯っ子のような光を瞳に浮かべていた。
おや。これはどうも・・・・。
「愛してるぜ、ジェームズ。」
「もちろん僕もだよ、。」
僕の手をとり、甲に口付けを落としたに辺りから黄色い声がひときわ大きくなり
失神者が出たのか人が倒れる音がした。
やっぱりといるのは楽しい。そう思った。
2006/01/29