ギンにつれてこられた場所は一般庶民じゃとても入れない京懐石!って場所じゃなくて

そういうところと居酒屋の中間に位置しそうな和風の店だった。


店の中はしっとりと落ち着いた感じで満席でもなくがらがらでもなく

この時間にしてはすこし多目かとおもうような丁度いい雰囲気だった。



「いらっしゃいませ。」


「どうも。二人やねんけどええかな?」


「はい。少々お待ちください。」



落ち着いた黄緑色の着物をきた男性が近づいてきてギンに声を掛けると

ギンは指で2という数字を示しながら問いかけた。

予約台帳のようなものを確認してから男性は俺たちのほうへ戻ってきて軽く会釈をした。



「お待たせいたしました。ご案内します。」


「よかったなぁ、クン。空いてるってー。」


「なんで俺に言うんだよ。ギンがわるいんだろ?」


「え、悪いゆうてるんちゃうよ?」


「わーってるよ。それぐらい」



ギンと並びながら歩いてしゃべっていると

目の前を歩いていた男性が立ち止まってくるりと振り向いた。

その男性に一瞬ぶつかりそうになりながら急いで立ち止まる。

ギンは立ち止まることを予想していたのかまったくあせった様子はなかった。

死神っていまいち何してんのかわからないけどやっぱ運動神経とかもいいんだろう。


席に座ってギンはまずメニューをみだした。

メニューって一つしかないから俺は暇になるわけで辺りをぐるっと見回してみた。

まぁ、一緒にみても良いんだけどそれはおいといて。


隣の席に金髪ですっごい胸がでかいお姉さんが座っていて

ありえないほどの開襟具合に思わず見とれていると

俺の視線に気づいたのかお姉さんと視線が合った。

胸に視線が行っていたことがばれているのは確実なので

苦笑いを浮かべてみせると、お姉さんはにっこりと笑みを返してくれた。

もしかしてこういうことなれてるのかもしれない。



クン・・・?」


「ギン?」



前にいたギンが不思議そうに俺に声を掛けたが

それに答えたのは俺ではない。

胸のでかい綺麗なお姉さんだ。



「あ、乱菊やん。」



ギンが細い目をさらに細めてひらひらと素敵なお姉さんに手をふった。



「知り合い・・・?」



失礼かと思いながらも人差し指でお姉さんとギンを交互に指差してみると

お姉さんはとても美しく微笑んで見せた。



「えらくカッコイイ子連れてるじゃない。ねぇ、隊長?」



お姉さんが連れの人に向かって話かける。

その視線を追っていくとみごとな白に近い銀髪をもった驚いたような顔と遭遇した。

ん?と笑いながら小さく首を傾げてみせると、

その驚いた顔の少年は目を見開いて唇を何故か軽く振動させ、

恐る恐るといった雰囲気で俺を指差した。



…?」


「あれ?なんで俺の名前知ってんの?」



ポケっと目を見開いて聞いてみると少年は小さく息を呑み、眉間に皺を寄せてみせた。

なにか悪いことをしただろうか。とも思ったがこれは怒っている類の表情ではない。

どっちかというと、そう。悲しいというほうがピッタリ。

なぜ初対面の俺が彼にこのような表情をさせているのかは不明。

もしかして一度会ったことでもあるのだろうか?



助けを求めるようにギンに視線を向けてみると

ギンは相変わらず奥の感情を読ませにくい笑みを浮かべていた。

助ける気は毛頭ないらしい。

心の中で毒づきながら俺は視線を白髪の少年に戻した。



「どっかであったことある?えっと・・・隊長さん?」



そういうと少年はなぜか一瞬傷ついたような表情をみせたが

次の瞬間にはその表情は既に隠れてしまっていて先程の表情は見間違えかと思ってしまう。

少年はゆっくり首を振る。



「いや・・・悪い。気のせいだ。知り合いに似ていた。」


「そうなのか?
 ・・・俺に似てて名前まで一緒か。」



そんなことありえるものなんだ。

この隊長さんの知り合いだという””を知らないから

ありえない!って否定は出来ない。

似ている人は世の中に3人いるということだし、

その人が同じ名前ということはありえないことでもない。



「んー・・・そうだ。俺、。隊長さんとお姉さんお名前は?」


「松本乱菊よ。ちゃん。」


「日番谷・・・冬獅郎だ。」


「もー・・・隊長!なんでそんなに愛想ないんですか!」



そういわれて乱菊さんから視線をそらす冬・・・いや隊長さんらしいから日番谷さん?

眉間に絶えず皺を寄せている彼から愛想をいきなり振りまかれてもかなり困るのだが

まぁそれはいいとしよう。明らかに自分より年下だとは思うのだが、

多分本人隊長という身分上、ソレを気にしてるだろうし。



「よろしくな。乱菊さん、日番谷さん。」


「あー!なんで乱菊はともかく日番谷クンのことはさんづけなん!?」



目ざとく・・・いや耳ざとくギンが俺の言葉をひろってぎゃーぎゃー騒ぎ立てる。

どうしてそこまで気にする、この男。

それにさんづけしたらお前逆に怒るだろ。



「だって、日番谷さん隊長なんだろ?俺一般市民だし。」


「ボクも隊長やん!」


「うそぉ!」



疑いつつ日番谷さんと乱菊さんの方に視線を向けてみると二人はコクリと頷く。



「なに?皆して俺を騙そうとしてんの?」


「コレ!」



なおも信じようとしない俺に対してギンは自らが着ている

白い羽織りを持ち上げてみせる。



「ソレがどうしたんだ?」


「コレ、隊長しか着てへんねん!ほら乱菊は着てへんやろ!?」



いわれて隣の席の二人を見てみると確かに。

日番谷さんは白い羽織りを着てるのに対して乱菊さんは黒の着物だけだ。あとストールみたいなもの。

・・・コイツ隊長って本当なんだ。

じゃぁ少し遊んでみるのもいいかもしれない。



「・・・市丸さん?」


「ひどいわっ、クン!」



ほらやっぱり怒るじゃないか。




2006/08/07
 

あとがき

やっと登場ひっつん。
メインなのに何、この出の少なさ!
え?メインだったんだ?って声が聞こえてきそうで怖い(汗)
一応ひっつん夢・・・のつもりです(弱)
ひっつんメインなんだー。メイン。

ギンちゃんを昼ドラのお姉さん口調で話させるのが大好きです(ぇ)
いうなれば、「あたしのことは遊びだったのね!」で(待)