「おいおいおいおい・・・。」



先ほどから部屋に不定期にゴトゴトと振動がやってくる。

これはどう考えても敵からの攻撃だろうに、俺達がいるこの部屋には避難指示とかそんなものが一切流れない。

アルテミスの傘が破られた。そうとなってはこんな所で長居はしていられない。



「わーっ!!さっきの振動で壁に亀裂が入ったー!!」


「「・・・・?」」



女性士官の二名が不思議そうな顔で俺を見て、バジルール少尉はさらに眉をしかめた。



「ほら、あんたたちも。」



あぁ。とラミアス大尉は納得の表情を浮かべ、高い声で叫びだす。



「空気がーっ!!死んじゃうー!!」


「助けてくれー!!」



叫ぶ俺たちをただバジルール少尉だけが珍獣を見るかのような目で見ていたが

こんなとこで死ぬのは俺は嫌だ。いくらみっともなくてもかまわない。

ここは少なくとも俺の死に場所ではない。



「どうした!?」



ここの警備をしていたと思われる兵士の一人が入ってきて、そいつの腹に一発お見舞いしてやり


扉に張り付いて、もう一人いるであろう兵士を待った。

程なくして、もう一人の兵士が入ってきたので、俺は同じように腹に拳を入れて黙らせる。



「アルテミスとご臨終なんてごめんだ。」


「同じく。」



廊下に出て、角を曲がると、ガルシア司令が少し遠くを走っていくのが見えた。

アルテミスの連中は傘を破られるなんて思ってはいなかっただろうから、今頃てんやわんやだろう。

AAにつながる道を急いで引き返し、ブリッジに向かう。

そこにはすでにクルーたちが準備をして待っていた。



「よくやった坊主ども!!」



手近にいたサイの頭をかき回すと、その少年は一瞬むすっとしたが辺りを見回し、あせった表情になった。



「フラガ大尉・・・さんは一緒じゃないんですか?


「え?」



なぜ、ここでの名前が出てくる。

ここのやつらにいわれてキラ=ヤマトと格納庫にいるんじゃないのか・・・?



・・・どうしたんだ?」


「ここの司令っていう人に、一人で連れて行かれて・・・・。」



・・・ガルシアは大佐クラスより上だ。

の正体を知っているという可能性は十分にありえる。

もし知っていたとすれば・・・?



「!?
 まずいっ!!」


「あ!大尉!!どこへ!?」



思わず床をけり、今来た道をひき返そうとした所をラミアス大尉に止められる。



のところにっ!あいつは多分まだ中にいる!!
 3分・・・いや、ストライクが帰艦するまでで良い!!少し時間をくれ!!」



最後まで言い終わらぬうちに、ブリッジをでてアルテミス内部に向かう。

がいるとしたら、どこだろう。必死に頭を回転させて考える。

そう言えば、さっきガルシアを見かけた廊下で光が漏れていた部屋があったような気がする。

なぜだかそこが鮮明に思い出せてきて、直感がはそこにいると知らせる。

小型シャトルがアルテミスに着艦し、その部屋へとまっすぐに足を進めた。

するとそこには目を疑うような。・・・・驚くべき光景が広がっていた。



・・・?」


「その声は・・・フラガ大尉?」



ベットの上で仰向けで上半身はかろうじて士官の軍服を羽織っているものの

下半身は何もまとっておらず、腹部から太もも辺りにかけて白濁の液体にまみれている。

近づいて顔を覗き込むと、緑と粟生のオッドアイが力なく俺を見返した。



「お前・・・その格好・・・。」


「あぁ・・・大丈夫。・・・俺がイかされただけだから・・・。ねぇ大尉。悪いけど服着せてくれる?
 痺れ薬飲まされちゃって、全然体動かないんだ。」



は力なく笑い、震えるまぶたを閉じた。

大丈夫。なんていっているけど大丈夫なはずが無い。

ベットの周りに散乱していた、下着やら軍服やらをいそいでに着せてそのまま抱き上げその場を走り出す。

は俺の腕のなかで力なく微笑んだ。



「俺さ・・・中尉なんだって・・・連合の軍人なんだって。」


「・・・もういい!言うな!!」



どこか自虐的な言葉に俺は唇をかみ締める。

どれだけ彼は今つらいのだろう。

は小さく言葉を続ける。



「わかっていたんだけど・・・あんな奴に言われると・・・嫌で・・・。」



そのままは小さく微笑を浮かべて瞳を伏せた。



「でもよかった。大尉が迎えに来てくれて。俺、ここで死ぬわけにはいかないもの。」


「あぁ、死なせやしないっ!」



小型シャトルに乗り込みAAへと着艦する。

ストライクがブリッジから離れちょうど戻ってきたところだった。

よかった。なんとか間に合って。

力の入らないを抱えて、廊下を早足で歩き、の部屋までたどり着く。

人数の都合上あまってしまったは皮肉にも士官室を割り当てられていた。

まさか、それに適切な階級でこの部屋に帰ってくるなんて。



「大尉・・・誰にも言わないでいてくれる・・・?キラとか・・・すごい心配しそうだから。」


「あぁ。」



格納庫から部屋にはいるまで誰にもあわなかったことは幸いだった。

キラともあわなかったのはストライクのハッチが開く前に格納庫から出たからであって

もう少し遅ければ、を心配してるであろう彼には確実に見つかっていただろう。

しかし。この期に及んで、自分より他人を気遣うとは。

一番きついのはであることは間違いない。こんな屈辱的な目に合わされたのだ。



・・・。少し休め。」


「うん。・・・あ、部屋出るときロックかけていって。」


「わかった。」



が瞳を閉じたことを確認すると、部屋の灯を消して、外に出てロックをかける。

パタンとキーパネルの蓋を閉じると少しあせったような足音が近づいてきた。



「フラガ大尉!!さんはっ!?」



チョコレートのような髪を揺らしながら、近づいてきたのは予想通りキラ。

パイロットスーツから軍服に着替えてすぐに走って来たのだろうか。息が少し上がっている。



「大丈夫だ。今は中で休んでる。」


「・・・何かあったんですか?」



大きな紫の瞳に不安の色をにじませて、俺を見上げるその少年の頭に手をおき、軽く撫ぜた。



「ただ疲れてるだけだ。
 だから・・・休ませ・・・・って!おい!坊主!!」



ドアを開けようとして、ロックがかかっていることがわかると、キラはキーパネルを開け無理やりドアを開けようとする。



「おい!!やめろ坊主!!」



キーをたたく手をつかんでとめると、キラは俺を鋭い目で射抜いた。



「疲れてるだけなんて!ただの話をしただけなら疲れるはずなんて無いでしょう!?
 ロックまでかけてるなんて・・・!!嘘つかないでください!何かあったんでしょう!?」



鋭く啖呵を切り、尚もキーを叩こうとする手をさらに強くつかみ、無理やりそこから遠ざける。



「やめろっていってるだろ!どうしてそこまでわかっていて尚も入ろうとするんだ!?
 今はそっとしておいてやれ!!」



俺の言葉を聴き、キラは目を見開く。

ロックをかけたということは誰にも今は会いたくない。という無言の訴えなのだ。

神経が高ぶっていたキラは少し落ち着きを取り戻し、ようやくそれがわかったらしい。



「でも・・・一人で抱え込む・・・なんて!!」


「・・・・。」



斜め下に視線を落とし、悔しそうに唇をかんでキラはつぶやく。

キラの言い分もわからないことは無い。

しかし、あの姿を見られて。キラに心配されて。

は自分を責めずにいられるだろうか。



「もう少し。あいつに時間をやってくれ。それならアイツも大丈夫だから。頼むから。」



懇願の意もこめて、キラにそういうとキラは苦しそうに下を向いた。



「わかりました・・・。」






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2006/01/30


あとがき

まだ短い(題名)。ハリポタ長すぎるんですよ(泣)
ね、ごまかしましたよ?かけないし。
今回はムウさんかっこよかったらいいね。がテーマでした。(待)
え、かっこよくなんて難しいです。
今のところAA内で主人公さんのことわかってるのはムウさんのみですから、
こう、主人公さんは寄りかかり気味な感じで。
でもキラ様よりの話にする予定!
つぎからオリキャラ出張ります。
というか、もう一つのサイトの小説のオリジキャラから(・・・)