バクゥとの対戦にひと段落着いて、AA付近にレジスタンスを含め全員が集まった。
ストライクのモニターで先程、僕に指示を出した人物の方を見てみると何か違和感を覚えた。



「・・・?」



どこか知っているようなそんな気がした。
どうしてだろう。こんな砂漠になんてきたことないのに。
ここの太陽のようにキツイ金髪。この距離から顔立ちはよく分からない。
だけど空気が知っているような気がした。とても懐かしい気さえする。


暫くするとラミアス艦長とフラガ大尉がAAから出てきてレジスタンスたちと向き合った。
彼達は味方だろうか?それとも敵なのだろうか?
結果的に僕らは助けられた事になるのだけれども、
彼らは彼らの敵を撃つために僕らを利用したに過ぎないのかもしれない。


明けの砂漠と名乗った人たちの間に剣呑な空気が流れ始め
これからの話を始めようというときに、ラミアス艦長が此方を向いた。



『ヤマト少尉、降りてきて。』



そう声をかけられたので僕は小さく息を吐きながらシートベルトを外し、ストライクの外に出る。
地面に降り立ち、ヘルメットを外すと辺りの空気がざわざわと騒がしくなった。



まだ子供じゃないか。



そんな言葉が耳に届く。
子供。さんが僕に戦わせたくなかった理由。

でもZAFTであるアスランも僕と同い年で子供。
戦争は子供だからなんて言い訳は聞いてくれない。
力があるのならば、守れるのならば守らなければならない。
戦いたくないけど戦わなければならない。


ふ、と視線を上げると此方に走ってくるキツイ金髪の少女が目に入った。
先程僕に指示を出してきた人物だ。
顔をやっと確認できたが、未だに彼女が誰なのか分からない。
あったことはあるのだと思う。だけどそれがいつのことだったかわからない。
僕の目の前まで来ると彼女は大きく目を見開き僕の顔をまじまじと見つめた。



「お前・・・。」


「・・・?」


「お前がなぜあんなものに乗っている!?」



眉間に皺を寄せ、1トーン低い声で彼女がそう言い、
思い切りの良い右手が飛んできたので僕はそれをよけて腕を掴んだ。
それでも尚彼女はぎりぎりと力を込める。

僕が殴られる理由はない。
だけど彼女の綺麗なオレンジ色の瞳にはどこか憎悪がまみれていた。
その感情むき出しの表情を引き込まれるかのように見て
彼女と以前どこであったのか思い出した。


あの日だ。
僕が戦争に巻き込まれた日。
ヘリオポリス崩壊の日。
さんとの平穏な日々が壊れた日。



「キミ・・・あの時モルゲンレーテにいた・・!」


「離せ!この馬鹿!!」



腕を引き寄せ、目線を合わせるようにすると彼女は目線を鋭くし、
暴れ初めて、しまいには裏拳を僕の頬に食らわせた。
食らった本人である僕はもちろんのこと、あたりが驚きの空気に包まれる。
僕は殴られた方の頬に手を当てて、目を丸くして彼女をみた。

そのあと彼女は僕に一瞥をくれた後レジスタンスたちの方へ戻っていった。
彼女がニ、三言リーダーらしき人と話した後
僕らはレジスタンスに導かれて彼らのキャンプに向かうことになった。



キャンプにつくと突然の来訪者に中が騒がしくなる。
この艦は地球軍のものであるから、ZAFT、地球連合どちらとも敵対している
このレジスタンスにはやっぱり招かれざる客。

僕はストライクで一通り作業を終えた後、パイロットスーツから軍服に着替え
熱く焼けた岩盤の上に立っていた。風が吹き僕の髪を揺らす。
その風さえも感じた事がないほどあつい。
太陽の光がキツイ。ヘリオポリスでは人工的に気候が調整されていたから
こんなに過ごしにくい気候なんて僕にとっては本当に珍しいものだった。



「ごくろうさん。」


「あぁ・・・。」



サイが僕に声をかけて横を通り過ぎていく、それを目で追っていると
この砂漠の太陽と同じような金の髪の少女がこちらに近づいてくるのが目に入った。
一体なんのようだろうか?もしかしてまた殴られる?
彼女が僕の目の前まで来て何かを言いにくそうに視線をそらしてから
意志の強そうな瞳を向けたので、僕はこれから何が起こるのだろうかと目を丸くした。



「さっきは・・・悪かったな。殴るつもりはなかった・・・。」



そこまで言って彼女は視線を僕からそらす。
僕は僕でまさか謝られるとは思っていなかったから言葉を失う。
さっきの威勢はどこにいったというのだろうか?



「あぁ・・わけでもないが・・・。あれは弾みだ。・・・許せ。」



偉そうな口調の癖に最後らへんはどこか弱弱しくて
僕はなんだかおかしくなって思わず笑みを漏らした。



「なにがおかしい!」


「いや・・だってさ。」



素直なのに素直じゃないから。
僕は岩盤に腰を下ろし、下から不服そうな表情をしている彼女を見上げた。



「ずっと気になっていた。あのあと・・・お前はどうしただろうと。」


張り詰めていた表情を崩して彼女はそういう。
僕の頭の中にあの時の光景が甦った。

崩れていく世界。自分にもその責任があるのだと。
それを思い出し、何か上から押しつぶされるかのように気持ちが重くなった。



「なのに、こんなものに乗って現れようとはな。」



彼女の瞳がきつくなる。その視線の先にはストライク。
今までの行動を考えて、彼女がこのMSを極度に嫌っていることがわかった。
だけどそれは何故だろう?彼女はレジスタンスだから兵器であるMSを嫌っているのだろうか?
誰か大切な人をMSのせいでなくしたとか?



「おまけに今は地球軍か。」



呆れたような言葉と共に真っ直ぐな視線を向けられて、
僕は返す言葉が見つからず瞳を伏せる。
なりたくてなったわけじゃない。だけど最終的には僕は自分で地球軍になることを選んだ。
それが正しかったかどうかはわからないけれど。



「・・・いろいろあったんだよ。」


「え・・・?」


「いろいろとね。」



そういうと彼女は再びストライクの方に視線を向ける。
僕も顔を上げてストライクを見てから彼女の方を向いた。



「キミこそなんでこんなところにいるんだ?オーブの子じゃなかったの?」



そういうと彼女は眉間に皺を寄せ居辛そうに視線を彷徨わせた。
そして頭に手をやり、小さく息を吐く。



「私も・・・いろいろあったんだ。お前と同じくな。
 ・・・そうだ。私はお前に聞きたいことがある。」


「・・・?」


という青年をしらないか?
 緑と青のオッドアイで銀髪のやつなんだが・・・。」



その名前を聞いて僕は眼を見開く。
それと同時に心臓が速く鼓動を打った。
息が上手くすえない。頭の中でぐるぐるといろんな映像が浮かんでは消える。



「避難民のリストに名前がなかった。もしかしてお前と同じように軍にい・・・。
 ・・・どうした?大丈夫か?」



彼女は屈んで僕と視線を合わせ肩を掴んだ。
僕は眉を下げて、彼女を見る。彼女の瞳が驚愕に開かれた。
彼女が動揺しているのが伝わってきて僕の感情もますます揺れ動く。



「お前・・・泣きそうだぞ?」



心配そうな声に僕は視線を地面に下げて歯を食いしばる。
優しくしないで欲しい。優しくされる資格なんてないのだから。



「・・・・・・さんは僕が・・・。」


「?」


「僕・・・が殺し・・・たんだ・・・。」


「なんだと!?」



彼女の手にこもる力が強くなる。
僕はその痛みに顔をしかめるが、抵抗はしない。

だってさんが死んだのは僕のせいだから。
責められて当然なのだから。
彼女の瞳の光が強くなる。それと同時に事実への拒絶の色が伺われた。



「馬鹿なこというな!お前が・・・お前があいつを殺せるわけないだろ!?
 そんな泣きそうな顔で言われても説得力はない!」


「本当なんだ!
 僕があの時さんをシャトルに乗せなかったらさんは・・・!」


「・・・!」


さんは・・・今頃・・・!」



きっと僕の隣にいてくれた。それを思うと胸が苦しくなった。
彼女は僕の肩から手を外し、立ち上がって苦しそうに視線を斜め下に向ける。



「その・・・は・・・死んだのか?」


「・・・。」



何もいえなくて、僕は僕自身を抱きしめるようにして瞳を伏せてただ頷いた。



が・・・。」



彼女からも苦しそうな、絞り出すような声が漏れた。






BACK NEXT

2006/05/09

あとがき

二ヶ月ぶりにこんにちわ(汗)
私そんなに書いてなかったのか!?と内心かなりおどろいてます。

いまだにキラ様に死んだと思われている主人公さん。
というか、想像でしか主人公さん出てきてない orz

キラ様がまっすぐなカガリさんに散々影響されていくのが好き。
SEEDの時のキラは可愛いですよね!
運命ではもうすっかりご老人の悟りの域にはいっていらっしゃいますが。
どっちのキラ様もすきです!
そしてキラとカガリの組み合わせが好き ><

なかなかキラ様と再会しないー。
ネタバレしてしまうと予定では当分再会しない(待)
しばらくZAFT寄りになる予定です(笑)