AAがオーブ領域に落ちて暫くしてから
オーブからAAに関する正式な発表があった。
「こんな発表・・・!素直に信じろって言うのか!?」
艦が水中にもぐったため薄暗いブリーフィングルームで
イザークが苦々しげに顔をゆがめて、AAに関するオーブの発表の紙が置いてある机を叩いた。
俺が僅かに眉を寄せるとさんが小さく息を吐く。
「イザーク。紙にあたっても仕方が無いだろ?」
「わかっている!」
イザークに無理矢理つれてこられたらしいさんに咎められ
つれてきた本人は居心地悪そうに口を紡いだ。
「足つきは既にオーブから離脱しました。なーんて本気でいってんの?
それですむって?俺たち馬鹿にされてんのかね?」
ディアッカが片手をあげてまるでそれを馬鹿にするかのような口調で言う。
俺は腕を組み、後ろにあった机に腰をもたれさせた。
「やっぱ隊長が若いからかなぁ?」
「ディアッカ!」
俺に対する嫌味な口調にニコルが咎めるようにディアッカの名前を呼ぶ。
さんが困ったように笑みを漏らした。
俺は小さく息を吐く。俺が若いから。そんなこと理由にしてたらきりがない。
ソレよりも今はAAだ。
「そんなことはどうでもいい。
だが、コレがオーブの正式回答だという以上
ココで俺たちいくら嘘だと騒ぎ立てたところでどうにもならないということは確かだろう。」
「なにを!?」
俺の言葉にイザークが不機嫌そうに反応を見せる。
イザークに視線を真っ直ぐ向けると、イザークもソレをまっすぐに返してくる。
「押し切って通れば、本国も巻き込む外交問題だ。」
くっと口惜しそうに息を飲み込みイザークは俺を一瞥した後
一度呼吸を置いてから腰に手を当て挑戦的な笑みを浮かべて見せた。
「ふぅん。さすが冷静な判断だな、アスラン。
いや・・・ザラ隊長?」
「だからぁ?はい、そうですか。って帰るわけ?」
「イザーク。ディアッカ。」
イザークに続くディアッカの言葉にさんが再び咎めるように名前をよぶ。
それにディアッカが肩をすくめてから俺に視線を投げたので俺は小さく首を振り
視線をディアッカにあわせた。
「カーペンタリアから圧力をかけてもらうが、
すぐに解決しないようなら潜入する。」
部屋の中にいるメンバーが一様に驚いたような顔をする。
多分、彼らの中での俺の印象はお堅いイメージが強いのだと思う。
だからこんな強硬な姿勢に出たことに驚いているのだろう。
さんも綺麗な水色と緑の瞳を丸くして俺のことを見ている。
「それでいいか?」
確認の意も込めて部屋の中を見回してみるとニコルが口を開く。
「足つきの動向をさぐるんですね?」
ニコルが険しい表情で体を乗り出してそういうので俺はコクリと頷いた。
イザークとディアッカの表情もまた険しいものになり、
さんは眉を下げてどこか心配そうな面持ちをしていた。
「どうあれ。相手は仮にも一国家なんだ。
確証も無いまま、俺たちの独断で不用意なことは出来ない。」
「突破していきゃ足つきがいるさ!
それでいいじゃない!?」
ディアッカの安易な。それでいて、そうできればどんなに簡単だろうと思う言葉に
俺は眉を寄せて少し語調をきつくする。
「ヘリオポリスとは違うぞ!・・・軍の規模もな。
オーブの軍事技術の高さは言うまでも無いだろ。」
なにせ俺たちが乗っているXナンバーはオーブ製なのだ。
あれはZAFTの量産機体ジンの性能をはるかに上回る。
まだ未完成であったとはいえ、オーブの軍事力には目を見張るものがある。
「表向きは中立だが裏はどうなっているのか、
計り知れないやっかいな国なんだ。」
俺の言葉にイザークがふんと鼻を鳴らして
どこか楽しそうな笑みを浮かべてみせた。
「OK、従おう。俺なら突っ込んでますけどねェ。」
イザークはそう言いながら扉へと向かう。
ソレをみてディアッカも席をたった。
「さすがザラ委員長閣下のご子息だ。
ま、潜入っていうのもおもしろそうだし?
案外ヤツの・・・あのストライクのパイロットの顔を拝めるかもしれないぜ?」
挑発的なイザークの言葉に俺は一瞬目を見開いて言葉に詰まる。
心配そうにさんとニコルが俺を見ているのが目の端に映った。
「?一緒に来ないのか?」
「うん。ちょっと。」
「そ。じゃぁ、またあとでな。」
部屋を出る直前にディアッカが室内を振り返ってさんに声をかける。
さんは穏やかな笑みを浮かべながらソレに答え、扉が閉まった。
「アスラン・・・大丈夫ですか?」
「あぁ・・・大丈夫。」
ニコルが心配そうに俺の顔を覗き込んだので
俺はどこか変な笑みを浮かべて返した。
「ところでさんなにか用事でも?」
これ以上ニコルと話していると気持ちがばれてしまいそうなので
俺は急いで話題を転換して、さんの方を向いた。
「うん・・・。」
さんが綺麗な色のオッドアイをすこし伏せて
言いにくそうに俺の顔を見て小さく首を傾げた。
「・・・俺もオーブにいっちゃ駄目かな?」
「は?」
思わず声が漏れてしまう。
そしてさんの王子のような綺麗な顔をまじまじとみた。
「あ、やっぱり駄目だよね。」
「いや、駄目といいますか・・・・。」
眉を下げて少し残念そうに。穏やかにさんは笑みを浮かべる。
それをみて俺は思わず言葉を濁した。
この人は危険なことをわかって言ってるのだろうか?
「さんならいいんじゃないですか?」
「へ?ニコル?」
ニコルの言葉に俺は変な声で聞き返す。
俺がそちらを向いてみると、ニコルは大きな若葉のような瞳を丸くして小さく首を傾げた。
「だって危険ではないでしょ?
さんは僕達より経験豊富なわけですし。」
「あ・・・。」
そうか。さんは今は整備士なんてやってるけど
元は”銀のツバサ”という二つ名を持ったZAFTの英雄なんだ。
「でも、アスラン。」
「はい。」
「アスランが駄目だって言うなら俺はソレに従うよ。
今は君が隊長なんだから。」
さんは穏やかに俺に微笑みかける。
その笑顔は俺たちがアカデミーの頃から変わりない。
・・・連れて行っても大丈夫だろう。
俺達に講義をしてくれたこともあるこの人ならへまはしない。
「わかりました。いいですよ、さん。」
「ありがとう、アスラン。」
さんが嬉しそうに華のような笑顔を浮かべる。
それに思わず頬に熱が上がってくるのを感じて
俺はさんから視線をそらせた。
ニコルは自分に割り当てられた部屋のピアノで練習するとかで
ブリーフィングルームを出て行った。
すると必然的に部屋の中にはさんと俺だけになる。
「さん・・・俺、聞きたいことがあるんです。」
「キラのことだよね?」
「・・・はい。」
少し哀しそうな笑顔を浮かべてさんは視線を下げる。
俺は奥歯をかみ締め、眉を寄せて視線を床に落とした。
「・・・無茶させすぎた。
キラは自分が戦わなきゃ。ってどんどん自分で自分を追い詰めて
俺が行くまであの艦にコーディネーター、一人で。
ずっと頑張って。精神的にとても辛かったと思うんだ。
俺がいたのに無茶させすぎた。」
「・・・・。」
さんの言葉に痛さを感じるのに。
なにもかえせない自分がイヤだ。
表面的にはとても穏やかな表情を浮かべているけど
きっと心の中ではイロイロなものが渦巻いているのだろう。
それを感知させないようにする人だから。
常に余裕を持っているかのようにも思わせてしまう。
だけど本当はモロイ人。
ある人にソレを教えてもらった。
”アスランは好みでしょ?”
その人に言われた言葉。
じっとさんの顔を見つめてみると
さんはきょとんと首を傾げた。
妙に好きかどうかということを意識してしまい、再び頬に熱が上がってくる。
あぁ、でも少し待って。
いつもは俺たちを困らせないように
無茶を言わなかったこの人が今回に限って無茶をいった理由。
「さんがオーブにいきたいのってキラに会えるかもしれないからですか?」
俺の言葉にさんはオッドアイの瞳を大きく開いて俺を見た。
そして俺から視線をそらして、少し頬を赤くした。
「そうかもしれない・・・。」
口元に手を当てて小さな声で呟かれた言葉に
俺はやっぱりと納得しながらもすこし寂しい気持ちになった。
あぁ。
俺ってもしかしてさんのこと・・・。
あとがき
のこと・・・?
あえてここで終わらせてみる。
ということでオーブに突入します。主人公さん。
予期せぬ出会いが待ってるのです。それが誰かはお楽しみv
しかしZAFTの4人はかわええなぁv
灰色ニコル大好きよv
下書きは後一個出来上がってるんだけど
清書する時間がないので、続きはまた後日UPになりそうです(待)
そのまえに今ハリポタ夢書いてる途中なんですよ
種夢の続きは頭の中にあって、
DVD借りなくてもあと2話ぐらいかけそう。な気がする。(気がするだけかもしれない)