「なんだ、もいくのか?」
俺たちと同じようにウェットスーツを身に着けたの姿をみて、
気がつけば自然と口から出ていた言葉だった。
「大丈夫。足は引っ張らないようにするから。」
控えめに微笑んでそういうに俺は笑みを返して
彼の肩を必要以上に強く叩いた。
「っ・・・。」
少し痛そうに眉を寄せて息を吸い込んだに
俺はクスリと笑みを漏らして片目をつぶってみせる。
「まぁ、俺は”銀のツバサ”の実力は疑ったことないけど?」
「ディアッカ・・・。」
嬉しいような。恥ずかしいような。
はそんな表情をして見せて俺から視線をそらした。
ぐしゃぐしゃっと頭を撫ぜてやると困ったような笑みとともに視線を俺に戻される。
驚くほど綺麗な少しだけ濃いエメラルドグリーンと
どこか温かみを感じさせるアイスブルーのオッドアイ。
そして女性達には王子様と称される甘い顔つき。
それが目の前にある。
「ディアッカ!貴様何をしている!早く行くぞ!
、貴様もだ!!」
なんだかよく分からない衝動に動かされての頬に手を伸ばそうとした瞬間に
耳に聞きなれた怒号が届いた。
俺は慌てて手を引っ込めて不思議そうな表情をするに笑みを浮かべて見せた。
「ディアッカ?」
「俺はお前を信じてるんだから、へましないでくれよな?」
の額に人差し指を当てながらそういうとは少し不服そうに眉を寄せて首を傾げた。
「さん、ディアッカ。いくぞ。」
既に入水しようとしているアスランが俺達に気がついて声をかける。
その声に不機嫌そうな色が含まれていたので今は従ったほうが身のためであると思った。
「りょーかい。」
適当に返事を返して入水したアスランに続き、まだ冷たいオーブの海の中へと身を投じた。
水中にもぐると自分の吐く空気が嫌に鮮明に見て取れた。
少し先に泳ぐ3つの影。ということはは後ろにいるのだろう。
前の三つはに比べれば身長がやや足りない。
ふと自分の後方を見てみると穏やかな動きだが決して遅くない動きで
俺についてくる一つの影がある。
それだけでコレはなんだと確信させてしまうのは俺が凄いのかが凄いのか。
や、どっちもかな。
暫くして一番前の影。多分アスランが上昇する。
それについて体を上昇させると視界が明るくなった。
朝焼けだ。辺りがぼんやりとピンクや紫に染まっている。
地上に上がってマスクを外しながら目を細めると
上陸した付近で少し待っていると釣り人の格好をした男が2,3人ほど寄ってきた。
なるほど。こいつらが内通者なわけね。
「クルーゼ隊、アスラン=ザラだ。」
「ようこそ。平和の国へ。」
釣り人の格好をした男がアスランに手を伸ばし互いに握手をかわした。
「とりあえずそれじゃ目立つ。着替えてくれ。」
男はそういって俺たちの前に大きな袋を置いた。
俺たちは目線で頷きあってからウェットスーツを脱ぎだす。
鞄のジッパーを開けてみるとそこには作業員のものと思われる服が入っていた。
早々と袖に腕を通して全員がオーブの人間に成りすますと、
男は俺たち一人一人にカードケースを渡した。
「偽造ID・・・。」
が隣でポツリと呟くと男がコクリと頷く。
確かに中をみてみるとソレは俺の写真が貼られた
オーブ、モルゲンレーテの職員偽造IDだった。
「そのIDで工場の第一エリアまでは入れる。
だが、その先は完全な個人情報管理システムでね。
急にはどうしようもない。」
「いえ、短期間でここまでやっていただいたのですから十分です。」
がカードケース指先でぱたんと閉じて
綺麗なオッドアイを男に向ける。
すると男はどこか苦笑めいた笑みを浮かべた。
「まさかこんなところで”銀のツバサ”にあえるとは。」
「・・・俺はもう”銀のツバサ”ではありません。
ただの=です。」
が綺麗に穏やかな笑みを返すと男はさらに苦笑を深めた。
「ま、無茶はしてくれるなよ。騒ぎはゴメンだ。
獅子は眠らせていおきたいんでね。」
「ありがとうございます。」
場を代表してかアスランが男に礼を述べる。
イザークがソレをつまらなさそうにみて、ニコルが続いて頭を下げた。
入り江のようになっている場所から霧の立ち込める森の中を歩き出し
しばらくすると街を見下ろせる崖のような場所にたどりついた。
「とりあえず分かれる?」
が街を見下ろしながらそういい、俺たちは無言でコクリと頷いた。
全員で行動していて全員が捕まってしまえば意味がない。
それに二手に分かれたほうが効率よくAAを探すことが出来るだろう。
俺たちは自然と俺とイザーク。アスランとニコルに分かれた。
「・・・はどっちと一緒にいくつもりだ?」
イザークがやや不機嫌そうにに問いかける。
なんでそこで不機嫌なんだよ、イザーク。
それじゃぁ、がこっちに来ないじゃない?
俺だってさ、と一緒に街中を歩きたいんだから
ちょっとはアプローチしてみてもいいんじゃない?
「俺は・・・とりあえず一人で行動してみるよ。
3つに分かれたほうが情報も多くみつかるだろうし。」
「りょーかい。」
眉をピクリと動かして更に不機嫌になるイザークと
残念そうな顔をするアスランとニコルは放っておいて
俺はにっこりと微笑んで見せた。
「じゃぁ、1900にさっきの入り江集合。」
『はっ!』
の言葉に俺たちは敬礼を返した。
俺たちは3方に分かれて朝もやの中、街へと足を進める。
「なぁ、イザーク。」
「なんだ!」
前をかなり早足であるく銀髪の友人に声をかけると
彼はかなり不機嫌そうな声で返した。
くすくすと笑みを漏らすと彼は足を止めて、勢いよく振り向いた。
「なにがおかしい!?」
「別に?ただ俺はと一緒に行動したかったなー。って思ってさ。」
そういうとイザークは押し黙って、
再び踵を返して早足に街の方へと下っていく。
「あ、ちょっと、イザーク!?」
「うるさいっ!」
相変わらず何時もの口調でイザークは足を進める。
そして突然彼は足を止めて俺のほうを向いた。
不思議に思い目を丸くして見せるとイザークは口の端を一度噛んだ。
「と一緒に行きたかったのは貴様だけではないのだからな!」
その言葉に俺は笑みを深めた。
(知ってるよ。そんなこと。)
でもな、イザーク。お前が思っている以上に、
みんなのこと大好きなんだぜ?
2007/01/09
あとがき
久々の更新で申し訳ないです(汗)
テストが・・・迫ってきてます。
えぇ、それはもうじりじりと。
でもものまねやってるからみちゃって
そのCM時間の有効利用(有効利用の仕方間違ってます)
素直じゃないイザークはほんまかわええですv
若干達観しちゃってるディアッカも好きです。
しかしなんでうちのディアッカ、精神的に上らへんにいるんだろう(笑)
オーブもうちょっと続きますー。