「講師・・・?」


「あぁ、何でも次席で卒業した現役のZAFT兵士らしいよ。」



士官学校。通称アカデミーと呼ばれている建物の中で僕が不思議そうにつぶやいた言葉に

闇のような紺色の髪をもつまるで兄のような友人が微笑んで答えた。

年齢的にはひとつ上。だけど士官学校に入った時期は同じ。

ちなみに僕たちが入学した期は年齢層が非常に広い。

理由は簡単だ。入隊する期が血のバレンタインがあってから初めての期だったからだ。

あの悲劇がきっかけで多くの人がZAFTに入隊を希望したらしい。

地球軍を放っておけない。戦わなきゃいけない。自分だけ守られているわけにはいかない。

多くの人がそう思ったのだろう。



「次席・・・どうして主席の人じゃないんでしょうか?」


「さぁ・・・俺も詳しくは知らないけど・・・都合があわなかったんじゃないかな?」


「そうですよね・・・現役らしいですし。」



もっともな疑問をあげてみるとアスランは少し困ったような表情を作り目線を上に上げた。

僕たちが目指している場所は戦場。突然向こうから宣戦されれば、そこに向かわなければならないだろう。

アカデミーの主席ともなればあちらこちらに引っ張りだこでもおかしくない。

ただそれは次席も同じだと思うのだけど、そこはどうなんだろうか。


アカデミーのトップ達つまり赤を着るものたちダケが入ることを許された講義室にはいり、アスランの隣に並んで座る。

僕達が入って一瞬静まったものの部屋の中はやはりざわついている。

一際強く視線をむけてきたのはその性格のようにまっすぐに切り揃えられたプラチナの髪をもつ少年。

アスランに次ぐ秀才。イザーク=ジュールだ。

全てにおいて2位に付けている彼。

それだけ聞けばかなり優秀だと思うのだけど上にいる人物が全て同じ人物、アスランとなると

やはらそれは彼のプライドを傷つけるもの意外にはなりえなくてアスランは必要以上に敵視されている。

けれど対するアスランはイザークのことをあんまり気にしてない。

淡々とあらゆることをこなして今のすべて1位という位置にいる。

自分は自分というそういうスタンスで生きてる人。

あ、でもちょっと流されやすいとこが玉に傷かな…。



今回来る講師の名前は知らされていない。

そもそも、ZAFTの情報なんて本来は漏らされてはいけないものだ。

定刻になり、室内が一瞬静まった後、ガチャリとドアノブが回って室内に人が入ってきた。

一気に室内が静まり返る。



ZAFTの雪のように白い隊長服。

まるで皇子のような美しく甘い顔立ち。

綺麗な月の光の様な銀髪。

すこし緊張をもった瞳は珍しいオッドアイ。

猫とかではよくみるけど人間では初めてみた。

若葉の様な明るい黄緑色と温かみを感じさせるアイスブルー。

そしてこの特徴をもった人を僕はしっている。



(…オッドアイで銀髪)



ZAFTの英雄。有名すぎるほど有名な銀の翼だ。



です」



控えめな微笑みとともに告げられた名前に教室の中がいっきにどよめいた。

銀の翼といえばあまりに有名。MSの操作に関しては右にでるものはいない。

今この室内にいる誰もがいつかこの人みたいに。と思うような人物。

その人が目の前にいる。



「久々にアカデミーに来て…ずいぶんと懐かしく思っています。」



室内をゆっくりと見渡してそう言う彼にいくつもの視線が注がれる。



「こんな若い私が講師では不安だと思いますが、今回任されたのは講義ではありません。」



安心させるようににっこりと一人一人の顔を確認しながらは微笑む。



「講演ならもっと経験豊富な先輩方にお任せしたほうが適任でしょう。
私がやってきたのは若いからこそできること…
今回あなた方に教えるの実地訓練つまりMSの操作です。」



ザワめきとドヨめきが室内を支配する。

隣にいるアスランも瞳に歓喜の色が浮かべていた。

現役のしかもZAFTのエースにMSの指導をしてもらえる機会なんてめったにない。

今回を逃せばそれこそ一生巡ってこないかもしれない。

に指導を受けるなんてそれこそ絶対に。



「まずはシュミレーションから。
 そして特別に本物の機体に乗っての訓練も許可されましたので最終的には実際にMSに乗ってもらいます。」



前のモニターに予定表が写しだされはソレを指差しながら説明を続ける。



「最終的には今回の講習での上位5名には私と一緒に簡単な任務をやってもらいます。」


「…上位5名」



赤を着るものは10名。そのなかで更に5名に絞るという。

精鋭中の精鋭。

なんだか緊張してきてゴクリと唾を呑み込む。

その中に入りたい。ZAFTの英雄と一緒に仕事をしてみたい。



「アスラン…」


「なんだいニコル」


「絶対に5位に入りましょうね」


「…あぁ」



室内の一番前で喋る甘い顔立ちのその人を見つめながら僕達は頷きあった。




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2007/09/27

あとがき

イザークは一生懸命で可愛いなぁ・・・w
ニコル達と同じような決意をしてると信じてる
アカデミー編もちょこちょこ入ってきます
次は現代にもどりますよー^^